2008.04.08
アムネジア更新 と 小話
アムネジア、久しぶりに更新しました。今回はセッちゃん視点。次もセッちゃんになりそう。
ホント、滞っててスイマセン。これからはサクサクやりたいと思うのですが・・・
そういえば、トップの画像変えました。
いやー、素材サイト様に行ったら、えらい美味しそうだったんで。
この殺伐としたサイトにはどうかと思ったんですが。駄話の口直しにぜひどうぞ。
で、ちょっとセツロクを思いついたので、↓から。
好評だったらサイトに上げます。
忘れていた記念日
ロックオンは、料理が上手い。本人曰く、自分の体を作るものなのだから、これくらいできなければ、マイスターとして失格だということらしい。遠まわしにジャンクフードばかりの自分のことを言われている気がしたが、気にはしない。その彼が自分に料理を作ってくれるのだから。
ロックオンは、今潜入先の台所でいそいそと動き回りながら、一心に何かを作っていた。
刹那はその背をただ見ている。自分が手伝うと、余計に手間を増やしてしまう。静かに待っているのが一番だ。
何かをかき混ぜ、泡立てる。オーブンからは、いつもの料理とは違う甘い匂いが漂う。洋菓子のようだが、刹那はそういうものに詳しくないので、何を作っているのかまでは分からない。
ただ、何かを作るロックオンの背中をじっと眺めていた。刹那はこの時間がけっこう好きだ。料理をしているときのロックオンはどこか楽しそうだし、自分のために手の込んだものを作ってくれているというのが、純粋に嬉しかった。こんなことは言ってやらないが。
そのうち、オーブンがチーンと音を立てて、ロックオンは中からスポンジを取り出した。ケーキか。何というケーキになるかなんて分からなかったが、ただ美味しそうな匂いだなと思った。
ロックオンはそれを冷ましている間に、苺のへたを取り始めた。赤い苺と白い指が綺麗だな、と思った。ぼんやりと眺める。ただこのときだけは、普段のように戦いのことも、何も考えずしっとしていられる。ずっと続けばいいのにと思う。やはりぼんやりとその背を眺めた。甘い匂いが頭の中を満たし、何も考えられない。
「刹那、刹那」
揺すれられて、目が覚めた。眠ってしまっていたのか。惜しいことをした。もっと見ていたかった。でも、こんなにゆっくり眠れたのは本当に久しぶりの気がする。
「できたのか、ロックオン?」
「ああ、お前が寝てる間に、俺がせっせと働いてな」
こんな憎まれ口を叩くが、それが本心でないことくらい分かる。この男はこうやって自分を甘やかすのが趣味みたいな男だ。だったらこうやって甘えることも、たまには許されるだろう。
「で、これだ!」
そう言って、目の前にホールの生クリームと苺のケーキが出された。その顔はどこか誇らしげで、ちょっと子供っぽい。
「それより、これ全部どうやって食べるんだ…?」
「いいだろう、記念日なんだから!ほら!」
記念日。何かあっただろうか。誕生日は二人ともまだだったし――不覚にも刹那はロックオンの誕生日を覚えさせられていた――何か記念になるようなことなどあっただろうか。
差し出されたケーキをよく見て、はっと気付いた。
『マイスター就任2年おめでとう』
中央に飾られたチョコのプレートにそう書いてあった。
ロックオンを見上げると、本当に嬉しそうで得意げな顔。
ああ、もう。どうしてそんな子供みたいに嬉しそうな顔で俺を祝うんだ。
目の前の男が愛おしくて堪らなくなって、刹那はその腰に抱き付いた。
ロックオンは、料理が上手い。本人曰く、自分の体を作るものなのだから、これくらいできなければ、マイスターとして失格だということらしい。遠まわしにジャンクフードばかりの自分のことを言われている気がしたが、気にはしない。その彼が自分に料理を作ってくれるのだから。
ロックオンは、今潜入先の台所でいそいそと動き回りながら、一心に何かを作っていた。
刹那はその背をただ見ている。自分が手伝うと、余計に手間を増やしてしまう。静かに待っているのが一番だ。
何かをかき混ぜ、泡立てる。オーブンからは、いつもの料理とは違う甘い匂いが漂う。洋菓子のようだが、刹那はそういうものに詳しくないので、何を作っているのかまでは分からない。
ただ、何かを作るロックオンの背中をじっと眺めていた。刹那はこの時間がけっこう好きだ。料理をしているときのロックオンはどこか楽しそうだし、自分のために手の込んだものを作ってくれているというのが、純粋に嬉しかった。こんなことは言ってやらないが。
そのうち、オーブンがチーンと音を立てて、ロックオンは中からスポンジを取り出した。ケーキか。何というケーキになるかなんて分からなかったが、ただ美味しそうな匂いだなと思った。
ロックオンはそれを冷ましている間に、苺のへたを取り始めた。赤い苺と白い指が綺麗だな、と思った。ぼんやりと眺める。ただこのときだけは、普段のように戦いのことも、何も考えずしっとしていられる。ずっと続けばいいのにと思う。やはりぼんやりとその背を眺めた。甘い匂いが頭の中を満たし、何も考えられない。
「刹那、刹那」
揺すれられて、目が覚めた。眠ってしまっていたのか。惜しいことをした。もっと見ていたかった。でも、こんなにゆっくり眠れたのは本当に久しぶりの気がする。
「できたのか、ロックオン?」
「ああ、お前が寝てる間に、俺がせっせと働いてな」
こんな憎まれ口を叩くが、それが本心でないことくらい分かる。この男はこうやって自分を甘やかすのが趣味みたいな男だ。だったらこうやって甘えることも、たまには許されるだろう。
「で、これだ!」
そう言って、目の前にホールの生クリームと苺のケーキが出された。その顔はどこか誇らしげで、ちょっと子供っぽい。
「それより、これ全部どうやって食べるんだ…?」
「いいだろう、記念日なんだから!ほら!」
記念日。何かあっただろうか。誕生日は二人ともまだだったし――不覚にも刹那はロックオンの誕生日を覚えさせられていた――何か記念になるようなことなどあっただろうか。
差し出されたケーキをよく見て、はっと気付いた。
『マイスター就任2年おめでとう』
中央に飾られたチョコのプレートにそう書いてあった。
ロックオンを見上げると、本当に嬉しそうで得意げな顔。
ああ、もう。どうしてそんな子供みたいに嬉しそうな顔で俺を祝うんだ。
目の前の男が愛おしくて堪らなくなって、刹那はその腰に抱き付いた。
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